昨日の朝出勤時いつも通る交差点近く
黒い塊が傍らに。
慌てて引き返して見てみた。クマゲラが襲われたときには
これほど憎いヤツはいないと思ったが、一体の骸と化して
しまえば、むしろ憐憫の情までわいてくる。
そばによると近くの電線にいた仲間がギャーギャーと騒ぎ出した。
気がつかなかったが近くの街路樹などにも複数の仲間が彼の死を
看取っていたようだ。
背中の羽毛に産毛が残るように見えるので、恐らく巣立ち雛だろう。
街路樹の根元で、昆虫を捕食していたときに車道に飛び出したのか。
アスファルトに突っ伏してさぞ無念だったろう。
眼を反らさず、この現実を直視しようと写真を撮った。
「カラスの死骸はなぜ見つからないのか」という本があったか
と思う。気づかずに通り過ぎているだけで、野鳥の死骸はごく身近にある。
野生生物の生と死は隣合わせだ。シジュウカラなどの巣立ち雛の生存率は
4割にも満たないと言われ、成鳥になっても寿命は2年ほどだという。
カラスは性成熟するのに4年はかかると言われている。繁殖力の比較的
高いカラスでさえ、成鳥になるまでにその半数は何らかの理由で命を
落とすという研究報告がある。死骸はやがて、キツネや猫、そして猛禽
や昆虫たちの命の糧となり、決してひとつの生命の終わりが無駄になる
ことはない。そして、我々ヒトもその命の循環の中で生かされている。
他の命を頂いて自らが生きているということを忘れてはならない。
大自然に感謝。いただきます。合掌。
帰りに同じ場所を通ったが、やはり骸は既に誰かが持ち去っていた。
道路の維持管理者ではなく、骸を糧としている生物の仕業だと考えたい。
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